前日の雨が嘘のように晴れ渡った一日。5月3日の例会参加者は88名でした。
(会員77名、新入会者1名、ゲスト8名)二次会の参加者は40名でした。
5月陽気に誘われて、街の緑と同じくらい参加者も増えてきました。ゴールデンウイーク中日(なかび)でも”学ぶ”意欲は盛んです。
新入会員
島田直美さん
大和市在住です。縄文時代や地域誌に関心があり、また、経済の渋沢栄一等にも関心があります。緊張していますがよろしくお願いします。
市川智子さん
先月入会しました。名称が横浜歴史研究会なので横浜限定かと思い開港からの横浜に興味ありとしましたが歴史全般に興味があります。歌舞伎や文楽、古典芸能、浮世絵などが好きで江戸時代について特に学びたいと思います。(春の歴史散歩にも参加されました。)

熊本会長
4連休に入り、夏日のように暑くなってきました。熱中症が怖いですが、対策には水分を取るのが一番です。水分は体重の60%で40数%が筋肉に水分を貯めています。筋肉がないと熱中症にかかりやすくなるので地道に筋力をつけましょう。5月25日のバスツアーは45名が一週間ほどで埋まり、キャンセル待ちの方には申し訳ないです。意外と人気があるようなので、来年は一泊とかバス2台とかいろいろ考えていきます。例会終了時に野球の試合が終わる時間とぶつかるので帰宅は気を付けてください。先月は女性3名、今日は男性3名の発表です。それぞれ面白い話が聴けると思います。
武田 収功さん・・・演題「薬の進歩と生体の進化 ー酒・薬・遺伝子ー」
お酒は全く飲めず割り勘負けしているという武田さん。アルコールや薬の効果の違いは個人の遺伝子によるという考察の発表です。
治療方法は自然崇拝やアニミズム、さらに祈祷、呪術や薬草などでの治療、薬狩り、薬草,民間薬の説明など歴史的なことから、ご専門の科学の話に入り、薬が作用するのはタンパク質であり、アルコールも薬もタンパク質と相互作用して「良い・悪い」「効く・効かない」から遺伝子の解説へ。この遺伝子の違いこそ個性で、空極の個人情報であり、薬が効くということは人類の進化の過程で獲得した遺伝子の多様性との相互作用によって成り立ってきた歴史である。人と違うということ、それが何よりも尊いこと、個性とはそういうもの、と結びました。
(質)水田農耕は雑菌や寄生虫からの感染症のリスクが高いということだが肉食のほうが殺菌効果が必要では、ロシアや欧米人のほうがお酒が強いようだが。
(応)水というのはいろいろなもの雑菌とかが発生しやすい。
(質)信憑性としては・・医学の方で専門でしょうか。自分は農業従事者ではないが殺菌作用がないからお酒を飲めるのか。
(応)大学で薬の研究はしていないが物理化学の勉強をした。また、文献を拾って考察した。
薬といえば縄文時代でも土器に付いて薬が発見されています。世界で記録が残っているのはケシで紀元前1500年くらいに赤ちゃんの夜泣きの薬です。
(演者)”麻酔い”という言葉がありますね。麻畑に赤ん坊を連れていくと泣き止むという話があります。
植木 静山さん・・・演題「ペリー来航、日本開国への途」
「横浜と縁があるペリーの話です。2026年はアメリカが独立してから250年に当たります。100年の時はフランスが自由の女神像を贈っています。」との語り口から、鎖国していた日本に開国を求めてやってきたペリーや当時の日本の対応、ペリーと日本側との細かなやり取りや死亡したアメリカの海兵の埋葬を日本の寺に許可した時のペリーが感激したことなど、横浜応接所での日米交渉、日米和親条約締結までの経緯、下田での艦隊の様子などを具体的に解説した。ペリーとプチャーチンの日本への航路を地図で説明、ロシア艦隊が36日早く出発したがアメリカ艦隊のほうが1か月以上早く日本に到着したことなどが分かった。ペリー来航時の江戸湾周辺の地図には海防についた藩名の他、日本の島にアメリカがあてた地名も描かれており興味深い。(猿島=ペリーアイランド、夏島=ウェブスター・アイランド等)
(質)ペリーはロシアのようにどこかを占領しようとはしなかったのか。
(応)それはなかった。どこにも属していない小笠原諸島は明治になり日本が発展してきたので各国から問題なく日本の領土となった。アメリカは広い国だから・・・。ロシア皇帝が破産した時にアメリカはロシアからアラスカを購入しています。非常に安く売ったのでアメリカは得しましたね。
ペリーが上陸してから去年は170年目で古文書の勉強会の横浜市歴での特別展の図録があります。古文書に苦労話も載っています。おいておくので興味のある方はご覧ください。
(演者)特に英文と和訳を付けた「アメリカ大統領ミラード・フィルモアからの親書はぜひ読んでほしい日本語になっているので是非読んでください。
酒井 晴雄さん・・・演題「浅野總一郎と横浜~「度胸と努力」の83年~」
植木さんのペリー来航から開国へ、そして酒井さんの横浜の発展と功労者の一人である浅野總一郎の話へと続きます。今年ちょうど没後95周年ということと、日本の社会が生きづらいと将来に夢を持てない人に、幕末から明治にかけて新しい国を作ろうとした人がいたかを知ることも何かの足掛かりになるのでは、との発表です。
横浜の発展を人口の推移や功労者などの説明から始め、浅野總一郎の実績や人となりなどを詳細に解説され「夢は大きければかなうものも大きくなる。廃物利用など常識をたがえた考え方、倍の情熱がなければいけないという總一郎の生き方もヒントになるのでは」と結んだ。
(質)總一郎は廃棄物を利用したとあるが、東京有明の埋め立てはゴミ、六甲アイランドは六甲山から、横浜の埋め立てでは何を原資に使ったのか。
(応)基本は山林の木々ですが運搬や伐採の手間を考えて、横浜の埋め立て地は海の土砂を利用しています。
(質)いろいろな財閥があるが”浅野”という名前は今はない。後継の現存している会社はありますか。
(応)東亜建設工業、太平洋セメント等いろいろあります。浅野は基本的にお金を残すとか名前を残すことに重きを置いていない、起業すること、新しい企業を立ち上げたいと考え、それが他の財閥と違い名前が表に出てこないことにつながっている。
今年の1月に全国組織の浅野總一郎事績顕彰会が発足、横浜で総会が開かれ、名誉会長に元総理大臣の菅義輝さんが就いています。NHKの大河ドラマを目指しているそうです。
(演者)「政治には近づくな、学問の方で・・・」と息子には言っていたそうです。
***横歴日帰りバスツアーのご案内***
ー「歓喜院・忍城・さきたま古墳を訪ねる旅」ー
実 施 日 令和7年5月25日(日)
集 合 横浜駅東口 午前8時(8時15分出発、時間厳守)
*当日は配布しておりますガイドブックをご持参ください ↓
【横歴勉強会】
***古文書講座のご案内***
会員の方に向けて古文書の勉強会を毎月1回、開催中です。
第5回古文書講座は6月15日(日)午後2時~4時
5月11日(日)に行われた第4回古文書講座では前半は机上での講習、後半は開館30周年記念特別展の「横浜の文化財 Part 1 修復」の展示見学をしました。中世の後北条の古文書や佐久間象山の墨蹟などの説明を受けてから、各自、自由に見学しました。