[横歴通信12月]②

◎12月例会が開催されました。
平成最後の年の暮れ、「波止場会館」に110名が参加。

開港記念会館が使用できないため、12月3日も大桟橋「波止場会館」での開催となりました。年の瀬を感じさせない穏やかな陽気の中、会報77号の発刊日ということもあり、大勢の参加者にめぐまれ満員の会場となりました。参加者110名(会員100名、新入会員3名、ゲスト7名)。

◎会長のあいさつ
今月まではここ波止場会館での開催となりましたが、新年2月からは開港記念会館に戻ります。先月は秋の歴史散歩を横浜で行いました。61名の方が参加され、解散後の中華街での懇親会にも36名の方が出席されるという盛況ぶりでした。
また昨日付けで会報77号が発刊されました。今回は新会員9名の方の作品も加わり82ページという大作となっています。少し読ませていただきましたが、皆さん素晴らしい内容でとても感心している次第です。当会会報は国立国会図書館をはじめ神奈川県立図書館、横浜市立中央図書館、ハーバード大学などにも寄贈されています。内容的にも全国の歴史研究会をはじめとする各方面からお褒めの言葉も頂戴しています。
本日は3名の方が新たに入会され、現状では会員数174名になります。会場ほぼ満員の状態で嬉しい限りです。

○新入会員
大城稜太さん/遠田千代吉さん/川端敏代さん

◎12月の例会発表
西山 達夫さん 後編「 田沼時代 」について~美濃・郡上一揆の果断な処理~
植木 静山さん 「 日米・日英・日露和親条約の対外的そして国内的な影響について 」
上野 隆千さん 「 明治の気骨・田中正造と足尾銅山鉱毒事件
*講演の詳細は例会案内を参照してください。

◎発表の講評 竹村紘一 副会長
私は全国歴研をはじめいくつかの会にも所属しその活動ぶりを見ていますが、当会ほど活発にかつ充実した会はありません。研究発表者の質も高く、毎回例会に望む度に身の引き締まる思いをしています。
西山達夫氏評
昨年発表の前段となる徳川吉宗時代からつながる田沼時代のお話です。江戸の中期は米本位制の政策が行き詰る時代になります。そこに登場するのが田沼意次で、吉宗以降の家重–家治の治世を米に変わる殖産産業を用いた重商主義で治めます。拝金主義ととられる気の毒な向きがありますが、私は評価できる人物だと思っています。西山さんはこうした内容に対し緻密な資料をつくられ、丹念にお話されたと思います。
植木静山氏評
植木さんは幕末を得意とされていますが、南北朝時代においても立派な本を出されており、その研究ぶりには感心しています。本日は幕末の日本と列強の国々との関わりを細かく解説されました。幕府が彼らに対しどういう政策をとっていたか、どのように対応を行ったかというようなことが大変勉強になりました。また安政の大地震でロシアのディアナ号が難破した際に、伊豆で国産の帆船を建造し、500名の乗員を救った事件をいまの外交に映して興味深くお話しいただきました。
上野隆千氏評
上野さんは常々歴史を本だけから学ぶのはだめだ、実際に歴史の現場を訪れ、目で見て検証した上で学ばなければいけないとお話になっています。おかげさまで足尾銅山とはどういう所で、どのような事件であったかという真相が良くわかりました(パワーポイントの画像をまじえた解説)。田中正造のようにここまで反骨の人は近年見ることができません。お聞きして当時の田中への国の対応に、国策として銅の生産を奨励する国の焦りを感じ取れる事ができました。

◎会報77号発刊しました。

「歴研よこはま」77号を前号より14ページ増頁で発刊いたしました。特集テーマ「明治維新」の投稿に加え、初投稿者9名という嬉しい原稿もあり充実した内容でお届けすることができました。
次号会報78号の原稿を募集をしています。
来年5月末発行予定の会報78号の原稿を募集を開始しました。ふるってご応募ください。
募集内容等は⇒横歴各種ご案内⇒横歴会報「歴研よこはま」をご覧ください。

◎’19年1月8日定期総会・新年祝賀会はホテル横浜ガーデンで開催されます

◎同会への出欠を回答ハガキに記入の上、12月20日までにご返送ください。
来年度1月の定期総会・新春発表会はホテル横浜ガーデンにおいて午後1時より開催します。
第1部定期総会に引き続き第二部新春発表会を開催。終了後、会場を改め夕刻より新年祝賀会を行います。詳細は12月下旬にご案内します。