[横歴通信2月・例会開催]


★2月の例会開催
★今後の主な活動スケジュール

2月の例会が開催されました。

2020年の例会は穏やかに始動。
令和2年2月本年最初の例会は春のような暖かい日和に恵まれました。一方インフルエンザやコロナウィルスの流行により参加者の減少が心配されましたが、99名の参加をいただきました。受付に除菌シートなどを備えて対応した運営スタッフもほっと胸をなでおろしていました。(会員96名・ゲスト3名)

◎会長のあいさつ
明日は節分、明後日は立春ということですが、本日は暦で2が3つ重なります。きっと良いことがあるのではないかと思います。
さて先般、武田信玄から織田信長への感謝状が見つかったというニュースがありました。歴史を裏付ける実物が発見されるということは、史実が身近なものとして大変関心が湧いてきます。歴史を学ぶ者にとって嬉しいことです。本日も御三方の発表をお楽しみください。
*信長が足利義昭を将軍に奉じて上洛した永禄11年(1568年)以降の書状とみられる。書状には「越後(上杉氏)と甲斐(武田氏)が戦争になったら、信玄にお味方くださるとのこと、頼もしく存じます」と謝意を伝えている。
本年3月に開館予定の太陽コレクションの展示施設「泰巖(たいがん)歴史美術館」(東京都町田市)で公開される予定。
(上)木村会長(下)司会進行・上野事務局長


◎2月例会発表のポイント
真野信治氏『細川藤孝 その謎の出自に迫る』
今回は大河ドラマ「麒麟がくる」で注目を集める明智光秀、その盟友でもあり深いつながりのある細川藤孝の出自を解き明かしました。真野信治さんは日本家系図学会の役員でもあることから系図と古文書とを照らし合わせ綿密にひも解かれます。光秀の前半生が謎に包まれているように名門細川家の出である藤孝についてもその出自がはっきりしない。細川姓ではない父親との関係やばあやと呼ばれる女性の証言などから、藤孝の出自は現在定説となっている熊本藩につながる名跡和泉上守護家ではなく、佐々木氏流大原氏であった可能性があるという大変興味深い話でした。(詳しくはレジュメ参照/研究発表欄)

佐藤猛夫氏『私が歩いた五街道(甲州街道編)』
五街道歩きや国内鉄道制覇といううらやましい限りの経歴を持つ佐藤さん。昨年の中山道に引き続き今回は甲州街道の写真を見ながらの案内です。中山道に合流する下諏訪から日本橋までの210キロですが、500キロ程の東海道と変わらない45を数える宿場数、中日本の重要拠点から江戸につながる道ながら、参勤交代は3藩しか利用しなかったなどといった興味深い前置きから話が始ります。宿場を名所を辿り、富嶽三十六景に残る北斎の素晴らしい構図の絵や芭蕉の句を織り交ぜて街道歩きの魅力を伝えてもらいました。石和川と呼んでいた(正論)のが笛吹川に変わった話など旅の楽しさ満載でした。

堀江洋之氏『童謡詩人・野口雨情と尊王攘夷の系譜』
北原白秋や西条八十と並ぶ童謡詩人と呼ばれ「七つの子」「しゃぼん玉」など知られる野口雨情は、幕末期の桂小五郎などと交わり水戸藩天狗党の乱に呼応するなど尊皇攘夷の郷士として知られる西丸帯刀を大叔父に持つ。生家は茨城の廻船問屋を営む名家で武装した英兵が上陸した大津浜事件なども間近に影響を受けた家系と思われる。野口雨情の歌にはそうした激しさはないが、「桜田烈士を讃う」という残された詩にうかがい知ることができる。
いつもながらたくさんの手書きの資料を用意され発表される熱意には感服させられました。
*〈おことわり〉発表の講評を行っていた竹村紘一氏が副会長を退任されたことになり、これまでの講評は終了することになりました。
*講演の概要は「横歴例会のご案内」をご覧ください。また講演レジュメは「研究発表」をご覧ください

次号会報80号記念の原稿を募集をしています。
5月末発行予定の会報は創刊80号記念となります。編集部ではそれにふさわしい企画で発刊したいと考えています。ふるってご応募ください。
募集内容等は⇒横歴各種ご案内⇒横歴会報「歴研よこはま」をご覧ください。

◎今後の予定 3月例会の発表

令和2年3月2日(月)1時より 横浜開港記念会館
発表者は
大瀬 克博さん 演題『 義和団事件の英雄・会津人柴五郎の生涯 』
高野 賢彦さん 演題『 大王(おおきみ)を支えてきた大伴氏の最期 』
清水 漠さん 演題『 赤備え 虎昌・景昌 & 直政・幸村 』
です。
発表の概要は「例会のご案内」をご覧ください。

◎春の歴史散歩の候補地が決まりました。

「江戸文化の光と影―裏浅草を歩く」
元は日本橋にあった「吉原」は明暦の大火の後、浅草の裏手に追いやられます。人目につかないはずの囲われた街は以後江戸の繁栄を映す鏡として華やかに生き続けます。そしてその一帯もまた江戸の影を背負いながら生きてきた地域だった。
南千住から吉原・歌舞伎三座猿楽町まで
実施日 令和2年4月26日(日)
詳細案内 3月末ホームページ上 4月4日例会日

◎歴史研修バスツアーのコースが決まりました。

「戦国・武田氏三代ゆかりの地めぐり+αの旅」
日時:令和2年5月28日(木)~29日(金) 一泊二日
費用:30,000円
行程:(1日目)横浜―景徳院―恵林寺―武田神社―新府城―RAKO華乃井ホテル(泊)
(2日目)諏訪大社(上社本宮)―高遠城―リニア見学センター―横浜
今回のバスツアーは武田氏の滅亡までを遡る道程になる。まず最後の総領となる勝頼が自刃する地にはじまり、それと共に焼け落ちる信玄寄進の菩提寺、栄光の信玄を奉る神社、武田の命運をかけた最後の城新府城を前編に、後半は武田の武威を高めた地諏訪、高遠を訪れる。旅のおまけは光陰のごとき時代の流れをリニアで味わっていただく。
申込み詳細は3月2日例会日に発表・受付をいたします。

◎城大好きの皆さま6月の例会をお楽しみに

例会発表+講演会の6月例会に東京未来大学講師の西野博道 先生をお招きして日本の城と西洋の城との違いや特徴などをお話しいただきます。
令和2年6月4日(木) 1時~ 場所/波止場会館
演題(仮) 「西洋と日本の城の比較と検証」

◎会員関係の行事

鹿鳴家河童(当会会員寺田隆郎)さんが出演します。
第11回やかん寄席

令和2年3月29日(日)
第1部/10:30開演 第2部/14:00
【入場無料】場所:てくのかわさき てくのホール(武蔵溝ノ口駅 徒歩5分)
出演/風林亭飴治郎/朗々亭笑声/鹿鳴家河童/笹の家小夏/よろずや笑治/木家木凜/射水亭ぽこぽこ/万年堂きさ馬/音楽部(リコーダー演奏)

横歴会員ご贔屓芸人
宝井琴鶴「神奈川をよむ」 

大山詣りの人々でにぎわう大山街道に咲く白い椿の物語
令和2年5月16日(土)
横浜にぎわい座 開演14:00(開場13:30)
前売り2100円 入場料2600円 
*前売りは当会員中村康男氏にご連絡を