[横歴通信7月]例会開催

7月例会が開催されました

梅雨が明けたら本格的な夏が到来。連日全国的な猛暑日となり、いくぶん低いとはいえ横浜もうだるような暑さです。コロナの再拡大の兆しが報じられ会員の出足にも響いたようです。参加者はこの5月に引き続き60名台となりましたが新しい女性会員が2名入会されたのが明るいニュースとなりました。(64名/会員60名・新会員2名・ゲスト2名)

新入会員

金子ユカリさん
私も奈良大で歴史を学んでいます。大学の卒論の研究テーマは石田三成について論文を書いています。石田三成を扱うことはかなりミーハーに思われるかもしれませんが、いたって真面目に取り組ませてもらいました。
平 博子さん
現在奈良大学で歴史を学んでいます。好きな時代は幕末から近代にいたるところです。特に攘夷の意志を示すため開港した横浜を白紙に戻すために出した徳川幕府の第3回遣外使節団について興味を持っています。*1864(元治元)年 正使池田筑後守長発の遣欧使節団

(左)金子ユカリさん(右)平 博子さん

開催にあたり

木村髙久会長
梅雨が明け本格的な夏が到来しました。毎日異常ともいえる暑さですので、皆さんどうか熱中症に気をつけて水分補給を欠かさないようお願いいたします。またコロナ感染においても、やや拡大傾向にあるとのことですので大いに対策を守りながら行動していただきたいと思います。
さて話は宇宙についてのことですが、先日“はやぶさ2”が持ち帰った砂と石から大変な発見がなされました。それはその砂と石から生命誕生の元となる水とアミノ酸が見つかったことです。問題は元々この地球におけるアミノ酸は地球の誕生から今日にいたる過程で出てきたものか?それとも他からやってきたものか?ということでしたが、どうやら後者ではないかということだそうです。
このように宇宙科学ではいろんなことが解明されてきていますが、歴史も新しいことが次々に発見されています。我々ももっと勉強を続けていかなければならないと思う次第です。


7月例会発表のポイント
演題 『二上山に偲ぶ 鳥谷口古墳』遠田千代吉さん
万葉集に「うつそみの」人にある我や明日よりは二上山を弟世と我れ見む」と非業の死を遂げた大津皇子を偲ぶ姉 大伯皇女の歌がある。前回この悲劇の主人公の墓のありかについて遠田さんはこの歌から始まる陵墓の捜索が古代から近世にいたるまで行われてきた旨を解説された。そして二上山山頂にその墓が存在すると歴史的に公に認められてきたものの、この説に疑問を持ち、それは二上山裾にある昭和58年に工事中発見された「鳥谷口古墳」こそが皇子の墓であるというのが2回にわたり発表された主旨である。同氏は墳丘に覆われていた石槨の様子を、画像を用い詳細に解説し、大津皇子の墓である可能性を推察された。現在そのありかがどちらかであるという結論は出ていないが、遠田氏の押す鳥谷口古墳の方が墳墓を造る過程に人の意志や感情が存在しているという歴史的なロマンを感じさせる。

演題『南北朝における天皇拉致事件の真相』植木静山さん
ライト鎌倉幕府崩壊から足利政権誕生へとつながる顛末を扱った本として評判が高い。今回の発表は足利尊氏による新政権樹立後に、未熟な政権運営により幕府の足元から火が上がり、身内や御家人に南北の朝廷を巻き込み権力争いが始まる過程に起きた事件である。現大河ドラマにある朝廷が鎌倉武家政権を奪還しようとして起きた承久の乱に始まる勢力争いは後醍醐天皇の元弘の乱以降、朝廷は国の統率力を失っていく。発表の論旨は正平一統と呼ばれる南北朝廷の統一を図ろうとした尊氏の対応のまずさが生んだ天皇拉致誘拐事件である。政局は「武力」対「権威」の駆け引きだが、この関係は南北朝時代を終わらせた三代将軍足利義満によって朝廷・公家の権威が骨抜きにされ武家主導社会を確立させたことで幕となる。権力を持たず象徴として存在する天皇の歴史を知る上で重要な話である。

演題『寺院の始まり』斎木敏夫さん
自ら日本の仏像や寺院研究などを行う日本美術史同好会の主宰を務める斎木さんによる、飛鳥時代における我が国の寺院のはじまりをお話いただいた。このジャンルにおいては当会きっての博識を誇るだけあって、端的でわかりやすい解説は聴くものの知識欲を満足させてくれる。話に挟む持論の部分もそれなりの裏付けがあり説得力がある。
広隆寺の国宝弥勒菩薩半跏像が赤松で造られており、当時日本では用いない素材であることから朝鮮半島から譲り受けたものであろうとの指摘は大陸からのつながりを鮮明にしてくれる話である。また法興寺や法隆寺などが海外からの使者に我が国の優れた現状を見せつける意図があったとの言葉に、今日世界に誇る日本の仏教文化を大切に護ってきた結果であり、これからも引きついでいかねばならないとの意を強くした。
同氏の話の面白さは解説に使われた画像があればより分かりやすいものになるが、不在だった方はレジュメにそってウェブ上の画像を検索しながら読んでいただくと良い。

いよいよ40周年記念行事のハイライトを迎えます。

創立40周年 記念式典・祝賀会のご案内

参加申し込みは8月10日まで、記念の祝い席をご一緒に!
日時 令和4年9月10日(土)午前11時より
第一部 記念式典 11時00~11時45分
会員特別表彰 ビデオ放映「横歴平成令和を振り返る」
第二部 祝賀会 12時00分~14時30分
テーブル会食(フリードリンク)

*従来より広めの距離をとったお座席でゆっくりとお楽しみください。
アトラクションとして豪華景品が当たる「テーブル対抗クイズ合戦」を行います。
祝賀会参加費 7000円
会場     ホテルメルパルク横浜
横浜市中区山下町16 TEL.045-662-2221
アクセス   東横線(みなとみらい線)「元町・中華街駅」4番出口より徒歩10分
JR「石川町駅」より徒歩10分
〈ご注意〉すでに申し込みをいただいている方でキャンセルをされる場合は9月6日までに上野まで(090-5543-0869)ご連絡をお願いいたします。

横浜歴史研究会創立40周年大会

ご家族・ご友人をお誘いしてご参加ください。
「歴史講演と伝統芸能の集い」

日時 令和4年10月16日(日) 12時開場 12時45分開会 1時開演 4時30分終演
〈伝統芸能〉
◆落語三席
参遊亭遊若 「あたま山」
鹿鳴家河童 「鹿政談」
浮世亭寿八 「寝床」

 

◆講談
宝井琴鶴 「鉢の木」―いざ鎌倉-
令和元年五代目宝井琴鶴を襲名。宝井一門が太鼓判を押すいま講談界きっての実力派。横浜愛に溢れた地元ねたで当会はじめ多くのファンに支持される。当公演は40周年を祝って名作「鉢の木」を語ります。

 

〈特別講演
小和田哲男 「いま徳川家康の生き方から何を学ぶか」
来年の大河ドラマ「どうする家康」やNHK「知恵泉」等でおなじみの歴史番組の時代考証や番組解説を数多く担当される。中世・戦国史の第一人者として、幅広い分野での教育、執筆、講演活動を行われている。現在、静岡大学名誉教授。

 

参加費 無料※ただし招待入場券が必要です。 *横歴会員は個別に配布されます。
※本公演は泉区民文化センターの新型コロナウィルス感染拡大防止に基づいた利用措置に従い開催いたします。
会場 テアトルフォンテ(横浜市泉区民文化センター)
相鉄線いずみ中央駅徒歩1分
●会員関係者の申し込み方法
ご自分の班長を通し、必要人数をお申し出ください。追って該当分チケットの番号をお伝えいたします。大会当日受付で会員名とチケット番号を申告いただければチケットをお渡しします。※8月3日の8月例会日まで受け付けますのでお早めに申し込みください。
※なお8月3日以降、申し込みをお断りする場合もありますので、ご注意ください。
※コロナの感染拡大など不測の事態で大会が中止になる場合は例会案内や当ホームページなどを通してご連絡します。
●会員以外の方(開催チラシ等をご覧になった方)
当会のメールを通してお申込みいただけます。※8月1日より参加申し込み受付を開始します。会場が満席になった場合お断りする場合がありますので、ご了承ください。
●案内チラシ
☞チラシ表面
チラシ裏面

今後の予定

8月3日(水)8月例会 横浜関内ホール(小ホール)
9月10日(土)創立40周年 記念式典・祝賀会 ホテルメルパルク横浜
9月17日(土)9月例会 横浜関内ホール(小ホール)
10月6日(木)10月例会 横浜関内ホール(小ホール)
10月16日(日)横浜歴史研究会創立40周年大会 テアトルフォンテ
11月5日(土)11月例会 横浜関内ホール(小ホール)