[横歴通信2月]2月例会開催


2月の例会日 節分前日の冷え込む一日
寒さの厳しい毎日が続く中、2月2日(木)例会が88名の参加で開催されました。(会員77名、新入会者3名、ゲスト8名)コロナ禍の影響もだいぶ収まってきたようで、参加者も以前の状態に戻りつつあります。今月は3名の新入会者を迎え活動もますます活発になってまいりました。体調管理には十分気を付けてお過ごし下さい。インフルエンザにもご注意を!

新入会員

諸澤美枝(モロサワミエ)様 【金子班】
昨年4年間通った町田市自由民権カレッジを卒業。国文出身だが歴史が好きで初めて書いた論文で卒業、嬉しかったです。中央図書館で会報誌を見て楽しそうだなと思い、もう少し勉強したいので入会しました。
 

 

 

吉宗康夫(ヨシムネヤスオ)様 【真野班】
苗字は吉宗ですが将軍吉宗とはかかわりありません。退職後をいかに過ごそうかと考え、もともと歴史に興味があったがWEBを拝見して面白い内容だ、是非参加したいと入会しました。
 

 

 

澤野 咲恵子(サワノ サエコ)様 【丸山班】
近くの会社を休憩中に抜け出してきての参加です。三味線の先生である会員の山下さんの紹介で入会。三味線は三か月前に始めました。江戸初期の文化が好きです。
 

会長挨拶


熊本会長 総会で新役員が選任され今月から新体制でスタートします。不慣れなことからご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが暖かくご指導下さいますようお願いいたします。会への要望等お気づきの点がありましたら班長、役員までお知らせください。この会が楽しく、永く続くように努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。さて、考古学、古代史に興味を持っている方には大変なニュースが発表されました。
奈良市西部の4世紀後半に築造された富雄丸山古墳で盾型銅鏡と長さが2.37メートルある最大の鉄剣が出土、国宝級だと思われます。『空白の4世紀」「謎多き4世紀」と言われているヤマト王朝誕生の解明にもつながっていくことと期待されます。今後、会員の方にも発表して頂ければと思います。新型コロナは減速傾向にありますが終息したわけではありませんので皆様には十分気を付けて下さいますようお願いいたします。

訃報

谷川操一氏 1月23日ご逝去(85歳)
ご夫妻で、時には息子さんとご一緒に研修バスツアーに参加。落語会を開催するにあたり会場を貸して下さり、また多くの会員紹介で会に多大な貢献をしてくださいました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
 

 


2月例会発表のポイント
◆今月の発表は、横歴会員の研究域の幅広さを実感させられるものであった。

演題 『ようこそ江戸吉原へ』山下美智子さん
令和5年度トップバッターで初めての発表となる山下氏。
すでに会員にはおなじみの日本髪にあでやかな和服での登場。三味線の師匠である山下氏は江戸の「粋」という文化に惚れたといい、江戸庶民の生活から女たちの生きざまを追求したいという思いから今回の吉原についての発表となった。吉原の成り立ちからその実態に至るまでを当時の世相を交えながらクイズ形式の問いかけや、参加者の笑いを誘う軽妙な話ぶりで、見事に解説いただいた。
遊女。かつては神聖ともいえる職業であり税金も払い、世界でも認められていた女性たち。しかし時代とともにその存在はタブー視、あるいは世間一般とはかけ離れた世界のように形を変えていく。しかし彼女たちの隠忍や努力によってのし上がっていく姿には脱帽せざるを得ない。これは現代女性にも通じるのではないだろうか。古代から現代にいたる女性史の近世史版の発表である。戦のない世の中で繫栄した江戸文化。次回はさらに掘り下げて江戸吉原の出来事や実例、さらには江戸時代の他の女性たち(髪結い・武家・後家の女性)の生活や考え方などの研究発表も伺ってみたい。

演題 『近代日本の先駆者 小栗上野介忠順』丸山雅子さん
今回2度目の発表となる丸山氏は前回の梶原景時と同様、現在まで不当な評価を受けていると思われる人物に焦点を当てた発表である。取り調べもなく斬首された小栗上野介の功績を一つずつ検証し、幕府の主戦論者であり、西洋の先端技術を学んでいる上野介を明治政府の権力者は恐れていたのではないか、明治期そのまま現在の学校の教科書でもいまだに正当な評価をされておらず残念なことであると評した。
幕末の1865年に幕府は試験的に横浜製鉄所を造った。後に石川島へと移転したが、1871年には小栗が指導し造られた横須賀製鉄所により造船、製鉄、軍事が一気に近代化した。フランス公使ロッシュと共に横須賀湾や長浦湾の調査をしたともいわれる大造船所の建設は資金面・人材面でも困難であったが、小栗の将来を見据えた決断と資金調達の見通しがあったから実行できたのである。対米交渉で力量を発揮し活躍した小栗については丸山氏の言われるように評価を見直される必要があるのではないか。

演題 『ドイツ国歌の歴史』大瀬克博さん
今回の大瀬氏の発表はご家族作成のドイツ国の紹介ビデオから始まった。5年間ご家族とともに在住された氏は現在も横浜日独協会で様々な交流やイベントに携わっておられる。ドイツの歴史はゲルマン民族大移動、フランク王国の分裂から東フランク王国が成立し、神聖ローマ帝国を経てプロイセン王国、ドイツ連邦、1871年に統一国家としてドイツ帝国が成立したことから始まる。氏は東西分断も経験しておりその時の様子も話された。検問は実に厳しいものだったそうだ。ビスマルクと岩倉使節団、ハイドン作曲のオーストリア皇帝賛歌の曲にホフマンが詞を付けたものがドイツ人の歌である。この歌詞を曲解したナチスが1番のみ国歌とした為、敗戦後斉唱禁止となったが1991年3番のみドイツ憲法裁判所で国歌と認定された。ドイツ国歌と日本の国歌「君が代」には歌詞や音感に共通するものがあり、ゆったりとしたリズムで短く、戦いのない、平和の歌であると氏は言う。歌詞の解釈は様々あるだろうが平和を願う心は一緒である。発表の中でもドイツ国歌が流された。氏の敬愛するドイツに対する思いが伝わってくるようであった。
*発表者の詳細は「研究発表」をご覧ください。

3月例会のご案内

3月6日(月)午後1時00分~4時50分  会場/関内ホール(小ホール)
 開場  12時15分~      開会  13時
◆発表者
『契り』                     青柳敏行さん
『京都市~横浜市金沢区を往来していた兼好法師』  高橋正一さん
『王将・坂田三吉と将棋の歴史』          槙 良生さん

*詳細は「横歴例会のご案内」をご覧ください。

春のイベント開催予定

◇春の歴史散歩  4月23日(日)
◇研修バスツアー 5月15(月)~16日(火)

*詳細は3月と4月の例会でご案内します。

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