[横歴通信10月]例会開催


10月の例会は97名の参加がありました。(会員78名・新入会2名・ゲスト17名)秋晴れの中、外出には良い日和となり多くの参加者に出会えました。発表者の応援やHPを見て見学に来られた方などコロナ以降、久々に100名近く参加の例会となり嬉しい一日となりました 。

新入会員

岩堀正幸さん(港南区)
縄文時代に興味があります。歴史上の一つの真実にはいくつもの解釈があり得ると思います。沢山のお話を聞き資料を見て、歴史を詳しく、正しく学ぶのを楽しみに来たいと思います。
 

 

 

 

藤井耕一さん

産業史や日本史の戦国時代から明治・現代まで興味があります。
 

 

 

会長挨拶


先月皆さんにコロナに気を付けてといった自分がかかってしまいました。皆さんも十分気を付けて下さい。また、暑さ等で外出を控えていた方も気力回復の為外出しましょう。
10月21日(土)に第2回はま寄席を開催します。演者さんのやる気アップの為にも空席が目立つことの無い様、是非今日中にチケットの購入をお願いいたします。

第2回はま寄席のお知らせ

「第2回はま寄席」は10月21日(土)に神奈川公会堂で開催します。
◆◆◆お申し込み受付中◆◆◆
パソコン・スマホ等のネット申し込み
お申し込み先 はま寄席事務局 メールアドレス info@yokoreki.com
●チケット希望枚数 ●申込者のお名前 ●連絡先の電話番号 ●会員紹介の場合は会員名を明記
をお知らせください。追ってご連絡させて頂きます。
「トリオでお得」チケット代金は1枚500円ですが、3枚まとまると1000円でお求めになれます。是非、ご家族ご友人をお誘い合わせの上、ご観覧ください。
*詳しくは既報「はま寄席開催のお知らせ」をご覧ください
★お席に若干余裕がございますので当日券の販売を致します。(当日券は「トリオでお得」の取り扱いはございません。1枚¥500円での販売となります。)
★チケットをお持ちの方は当日受付にお出し頂き、半券を受け取って下さい。ネットでお申し込みの方は番号を受付に申し出て、代金と引き換えにチケットをお渡しいたします。

11月例会のご案内

11月7日(火)午後1時00分~4時50分  会場/関内ホール(小ホール)
 開場  12時15分~      開会  13時
◆発表者
大岩 泰さん 演題「我が国の医療史」~医療史から我が国の歴史を眺める~
竹内秀一さん 演題「古代山陰道について-最近の島根県の発掘を踏まえて-」
加藤導男さん 演題「その後の北条氏」
*詳細は「横歴例会のご案内 11月例会」をご覧下さい。

秋の歴史散歩11月25日(土)開催予定

鎌倉・極楽寺界隈を巡ります。極楽寺では限定公開の希少な宝物を拝観します。各自、昼食を済ませてからの集合となります。秋の一日を健康的に楽しく過ごしましょう。詳細は11月例会にてお知らせします。


10月例会発表のポイント
森 彩子氏 演題「蘇る幕末ーカメラがとらえた日本ー」
スクリーンに映し出される画像に目を奪われた。今回は写真という事で前回の浮世絵のような華やかさはないが日本の歴史を目で見る楽しさがある。幕末の頃に外国のカメラマンが訪れて撮影した写真が残っていることで攘夷事件や当時の生活・風俗の様子がよくわかる。
写真館を開いて横浜で21年間暮らした外国人写真家フェリーチェ・ベアト、日本の写真の祖として知られ最初の戦場カメラマン上野彦馬や写真の開祖と言われる下岡蓮杖、また「横浜写真」と呼ばれる手彩色写真の日下部金兵衛などを作品と共に紹介した。
外国人殺傷事件の中でも歴史的大事件となった生麦事件はベアト撮影の写真。攘夷から討幕運動へと明治維新の大きな転機となった。ライデン大学コレクションの「スフィンクスと侍」は大変面白い作品である。今どきのCG作品かと見紛うほどの不思議さがある。ヨーロッパで発明されたカメラが幕末・明治期の日本に伝わり、激動の歴史が記録され、貴重な資料として残されている。国宝指定されている日本最古の銀板写真に写っているのが島津斉彬、やはりお殿様の気品がある。坂本龍馬は自分のブロマイドを気に入っていたようだ。当時の写真代が1枚6万から8万円とはあまりに高価で庶民には手が出ないものであったであろう。

加藤英雄氏 演題「DNAが語る日本人の祖先 あなたは縄文人/弥生人/古墳人/それとも???」
今回が初めての発表となる加藤英雄氏。奈良県の明日香村ボランティアをされていただけあって、ユーモアを交えて聴衆を引き付けるトークはさすがである。
「DNA」の文字から始まる演題には科学か人類学か、はたまた犯罪学かと身構えてしまったが、そもそもの原点である人類の歴史が生まれた瞬間からの話であった。DNAとコピーされた遺伝子情報(ゲノム)の説明から現代人にもネアンデルタール人の一部が伝わっているという事である。アフリカで誕生したホモサピエンスが世界に分かれていき、日本列島にたどり着いた「二重構造モデル」。さらに縄文人/弥生人/古墳人/の3つの祖先から成る「日本人の三重構造モデル」の解説に至った。それぞれの時代の特徴として縄文時代は戦争のない平和と豊かな文化遺産を育んだ時代。弥生時代は稲作から富や権力の発生による階層文化、戦いの時代。古墳時代はヤマト王権と連合体、前方後円墳の全国拡大の時代とまとめそれぞれの代表的遺跡や遺物についても解説された。特に氏は三内丸山遺跡の大型掘立柱の中に立った時に縄文の血が自分にも流れていると身が震え、人生最大の感動を覚えたとの事。日本の古代史は世界の中の日本、世界史の中の日本史という観点でもっと語られて良い、私たちの祖先は世界に誇れる業績を残してきたと語られた。私たちは日本人であることに誇りを持って生きていきたい。

高田 茂氏 演題「勝海舟」
これまで何度か4世紀前後の古代について発表してきた高田氏が、今回は生誕200年を迎えた勝海舟の発表となった。日本のこの時代を語るにはやはり外国との関係性を語る必要がある。古代の史料の少なさに比べ近代の史料は多いが、そこから人物を突き詰めていくのは大変な作業である。だが、どういう人物であったか紐解いていく面白さは歴史を学ぶ者に共通した認識であろう。勝海舟という人物には様々な評価がある。発表後の質問でも自己顕示欲が強いのでは?海軍(幕府海軍畑を歩き軍艦奉行まで務める)での評価できる業績は無いのでは?など活発な意見が出たが、それに対する高田氏の回答は「人それぞれの思いがあります」との事だった。確かに立場や見方で評価は大きく変わるものである。今回、高田氏は「世界の中の日本の立場を最もよく理解して、批判もあるが政治家として民衆の被害を最小限に抑えた。無血開城、政権交代などの活動が明治以降の活躍につながった。」と評した。小柄ながらもエネルギーの塊みたいな海舟はこの激動の時代を生き抜いたのである。家庭運はなかったようで多くの女性がいたとのこと、妻が一緒の墓に入ることを拒んだのはやむを得ないところであろう。歴史上の人物については様々な視点から語られることで思いを新たにすることができる。柔軟な考えを失わずに楽しみたいものである。