[10月の発表者]

TOPICS 蒔田の吉良歴史研究会

横歴の姉妹歴研「蒔田の吉良歴史研究会」が10月24日のはま寄席の会場に展示コーナー「吉良氏800年祭」にちなんだ展示を行います。横歴の展示コーナーもありますのでお楽しみにご来場ください。また同会を運営している島田紀子さん経営の「旅館松島」が9月25日放送「コロナ禍で頑張る店」というタイトルの神奈川テレビの番組で扱われます。(25日(土)18時放送)当会との縁も多い旅館です。ぜひご覧ください。

歴史研究の妙味をお楽しみいただける3講義

令和3年前期は新型コロナによる休会が多く、例会発表者の方々には延期、再延期の連続でご迷惑をおかけしました。今年度の8月・9月も流会となりました。第5波の感染拡大が収まる気配をみせていますが、まだまだ安心できません。なんとか10月例会が開催されることを願っています。10月の御三方は玄人好みのする題材をテーマにされています。こうした例会発表があるのも横歴の魅力かと思います。

遠田千代吉さん 演題『二上山に偲ぶ 大津皇子山頂墓』
皇女の声に導かれ追い求めること6年

私は、ここ6年ほど一貫して大伯皇女の生涯を追い続けております。
この皇女については、皇女の弟・大津皇子が二上山に葬られ、墓はその山頂にあるとされていますが、各方面から疑義が出されています。
それではなぜ山頂に墓があるとされたのか、さらに真の墓は何処に在るのか、この経緯と所在を知りたいと思い、探索の道に踏み出したものです。
この過程を、今回はお話したいと思います。
大伯皇女は斎王であったこと、謀反の嫌疑で倒れた弟・大津皇子を想う万葉秀歌6首を残したこと、この他には、その生涯は意外に知られていません。
私はこの悲しく思われる生涯を詳しく知りたいと思い調査を始めてみると、「ここにこういうことがあるよ」、「ここにもありますよ」と、皇女自身の導きというか、教導の声が聞こえてきたのです。「ああ、これは皇女自身、ご自分の生涯の全容を、後に残したい」と思われているとの思いから、取り組んでみたいとの思いに駆られ、現在継続している次第です。
従って、現段階では「学ぶことの意義」以前の「知りたいという希求」「導きによる
探求」を実践に移しているだけであります。
ある先達の方が言っています。「一つのことを10年やれば、普通の、並みの人になれる」
私自身、この意味から「10年を区切りとすれば、あと4年になります」
現在78歳でありますが、今の課題に、あと4年は相当真剣に取り組まねばなりません。

武田収功さん 演題『水銀の道 飛鳥池工房遺跡の出土品』
「なぜ?」から始まる疑問の坩堝(るつぼ)
定年後、奈良県橿原市に月に一度仕事に行くことになりました。仕事の後、近くの明日香村の資料館や遺跡を巡っているうちに、興味を持ったのは推古、皇極・斉明、持統女帝らの政策の背後にあるとされる神仙思想です。不老不死を目指すこの思想には神仙薬が不可欠です。
それが今回発表のキーワード、水銀であり、またある種の植物です。水銀は飛鳥池工房遺跡の出土品の中に銀アマルガム(水銀の合金)の痕跡が発見されていることから、
水銀はどこから運ばれたのか、どのように運ばれたか考えてみたいと思いました。
現在の暮らしは、コロナ禍でテレワークが増えました。外出は夕方の散歩と、家人と一緒のスーパーでの買い物くらいです。コロナ禍以前と同じ、ほとんど自室で何かをしているという代わり映えのない毎日です。

植木静山さん 演題『幕末、サムライ達の北方領土交渉』
今と昔、“チャ”のあるなしで大違い
茅ヶ崎から横歴に参加されている植木静山さんは入会されて10数年になります。その間に執筆された歴史小説「後醍醐天皇・記」(幻冬舎)は「大変読み応えがある」と内外共に高い評価を得ています。
今回のテーマはこれまでも何度か発表されてきた幕末の外交交渉のお話です。日露の北方領土交渉はそもそもいつ最初に話し合われたのか、あまりニュースとして取り上げられていない。利害が鮮明になった現代と当時とでは、国際情勢も民意も互いの国の事情も異なります。交渉事は人と人が行うもの、そこには交渉人の間に人間的な好き嫌いも生じるもの、どのような紆余曲折をもって成立したのか解き明かしていただきます。
コロナ禍における植木さんも行動範囲が狭められ我慢の日々を送られています。気分転換と運動のために時折市内のゴルフクラブへ通われるとか。
◆過去の演題
平成23年「日本開国、横浜港・功績者は誰なのか」
平成24年「後醍醐天皇をめぐる皇子と女性達」
平成26年「ロシアから来た黒船」幕末の北方領土
平成26年「幕末老中首座 安部伊勢守正弘の恋」
平成28年「開国の使節ペリー提督の生涯」